相続放棄をする4つの理由
1 相続放棄をする理由・動機は広く認められている
相続放棄をする理由・動機には制限がありません。
実際には、被相続人に資産がほぼなく、負債は存在していること(いわゆる債務超過)を理由に、相続放棄をするというケースがとても多いです。
債務超過以外の類型としては、親族と疎遠のため相続関係に関わりたくないという場合や、生前に被相続人から充分な贈与を受けているため相続財産を取得しないという場合、特定の相続人に遺産を集中させたいという場合などがあります。
2 相続関係からの離脱
冒頭の話の通り、家族と疎遠であり相続関係に関わるつもりがない場合や、相続人とのトラブル回避のため遺産分割協議をしたくない場合など、相続関係から離脱するための手段として、相続放棄を使うことができます。
なお、相続放棄は相続人が単独で行えますので、他の相続人に連絡したり、同意を得たりする必要はありません。
3 債務超過
被相続人に借金があったり、固定資産税等の租税を滞納していたというケースがあります。
実際には、被相続人の生活状況が荒んでいたために、どこにどのような負債を持っているかわからない、将来いつ誰から借金返済を求められるかわからないということも多いです。
このような場合こそ、相続放棄は有用です。
4 生前に多額の贈与を受けている
生前に多額の贈与を受けている場合、他の相続人との間でバランスをとるため、贈与を受けている人が相続放棄をするということがあります。
5 特定の相続人に遺産を集中させる
風習や慣行によっては、家業を継ぐ相続人に全ての財産(負債も含む)を集中させるということがあります。
または、地元に残った相続人に、実家の土地建物等を含め、相続させたいということもあります。
このような時に、その他の相続人全てが相続放棄をするというケースもあります。