被相続人の債権者からの連絡が怖いのですが、どうしたらいいですか?
被相続人の債権者からの連絡が怖いのですが、どうしたらいいですか?
1 被相続人の債権者からの連絡
相続財産には、金銭や不動産などのプラスの財産だけではなく、いわゆる借金のような負債も含まれます。
被相続人が生活保護を受けていた場合などは、プラスの財産はほぼ有しておらず、負債だけを有しているというケースもあります。
被相続人が金融機関などの債権者から借金をしていると、債権者から相続人のもとへ手紙や電話などで借金を返済するようにといった連絡が入ることがあります。
相続人からすれば、被相続人がどのような内容の負債を有しているかわからないことが多く、かつ一般的に「借金取り=怖い」というイメージもあるため、とても不安に感じることかと思います。
ここでは、被相続人に借金があり、相続放棄を検討している場合の債権者への対応についてご説明いたします。
2 相続放棄を検討している場合の債権者対応
債権者対応として行うことは2つです。
1つは、支払いに応じないことです。
相続放棄をする以上、支払う義務はありませんし、仮に被相続人の現金や預貯金等から支払ってしまうと、相続放棄が認められなくなる可能性もあります。
2つめは、債権者に連絡をし、相続放棄の手続中であること、または相続放棄を検討中であることだけを伝えることです。
怖いので、まったく連絡をしたくないという気持ちになるかもしれません。
しかし、完全に無視をしてしまうと、裁判を起こされたり、支払督促の申立てをされたりするなどのリスクがあります。
もっとも、ご自身で貸金業者などに連絡することは大きな抵抗を感じるかと思います。
そこで、相続放棄の代理人弁護士を通じて、貸金業者等へ一報してもらうという手があります。
貸金業者はプロですので、相続放棄をする可能性が高いと判断すれば、通常、余分な労力を割いてまで取立てを行うことはありません。
特に代理人弁護士から連絡が入った場合、貸金業者からみると、すでに相続放棄の手続きに着手している(少なくとも準備に入っている)といえますので、通常請求はストップしてくれます。
3 相続放棄完了後の対応
裁判所に相続放棄の申述を行い、これが受理されると、相続放棄申述受理通知書というものが交付されます。
この相続放棄申述受理通知書の写しを債権者に送付することで、相続放棄をしたことが客観的に証明でき、相続放棄をした元相続人は請求の対象から外れることができます。